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ACL損傷集中講座 11コマ目 【最後に】 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]

長らく連載を続けたACL損傷集中講座ですが、今回が最終回となります。
今日は、私見や雑談を。。。

私が考える、スキー選手に必要な膝の機能というのは、
膝回旋運動の制動≧膝前方安定性
かと思います。

ですので、スキー選手に対してはBTB法による1ルート再建よりも
半腱様筋(ST)を用いた2ルート再建術によって回旋制動性もしっかり抑えてやる事
が、より大切だと(今のところは)考えています。

(ただ、BTBで解剖学的に再建する方法であれば、その限りではありません)

私が知る限りでの、スキー関連で御高名な先生方の考え方も紹介します。
日本鋼管の栗山先生(オリンピックチームドクター)は、僕と同じような考え方をされていました。
STをメインの方法とし、薄筋腱は可及的に温存していらっしゃるようです。
船橋整形、北大、阪大、医科歯科、そして群大も同様の方法です。

また、都立青山の山岸先生は
「スキー選手のハムストリングは温存するべきだ!」
という考えの下、主としてBTB法の手術を行っておられました。
旭川の進藤先生も同じような考えとお聞きした事があります(違ってたら申し訳ございません)。

そして、関東労災の内山先生は・・・
残念ながらよくわかりません。確かSTGがメインであったと思います。
なにしろお忙しいせいか、ご本人と学会場でお会いした事がないんですよね。
今度機会があれば、詳しくお聞きしてみたいものです。

ACL再建というのは、どういった方法を選んでもそれなりに良い成績を得られる手術であると
思いますので、その結果に至るまでの考え方がしっかり構築されておられる先生の下で
手術を受けていただければ、どこの病院でも、満足のいく結果が得られると思います。


あとは雑談になってしまうのですが、個人的に興味があるのがAUTのヘルブスト選手。
彼は確か4ヶ月ほどでレースシーンに帰って来たのですが、
今までの医者の常識の中で考えると、4ヶ月であれだけの負荷がかかるとすれば
絶対に再建靭帯が弛んできちゃうと思うんですよね。

しかし、今期も素晴らしい滑りを見せてくれています。
AUTのメディカルチームが何か素晴らしいノウハウを持っているのか・・・
結構調子よさそうだもんなぁ。



さて、
今日でひとまずこの集中講座はいったん終了します。が、、
今後も一人の医師としてスポーツに関わる方々のフォローを行いつつ、
患者さんが安心して受診できるような医療を提供できるよう、努力を続けていく所存です。

なにかありましたら、いつでもこのページを通してメッセージをいただければ幸いです。
乱筆にお付き合いいただき、ありがとうございました。

~おわり~


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tomokine

狭いゲレンデで曲がりきれず(スキー)、脇の木に脚を引っ掛け MCL 損傷し、ACL の診断のため MRI 撮影を待ってる者です。

ACL 再建法について分かりやすくまとめてあり、それを読んで多少不安が減りました。ありがとうございました。
by tomokine (2008-02-19 01:21) 

simimasa

あたたかいコメント、ありがとうございます。
tomokineさんの診察結果が大事でないことをお祈りいたします。
by simimasa (2008-02-19 18:04) 

tomokine

結局、ACL は無事でした。
MCL の損傷だけでしたので、保存療法を行うことになりました。
ほっとしてます。

以上、報告まで。
by tomokine (2008-02-21 22:32) 

M

2/14に右ひざ前十字靭帯再建手術をしました。Mです。
順調な回復しています。

医師からははじめの3ヶ月は安静にエアロバイク40分位の漕ぎ程度と指導されています。

今シーズンは、残雪がおおいので、連休明け位には、雪上に上がりたいですが、無理ですか?
怪我してないほうの左足のみの片足スキーでもいいから雪上に立ちたいです。
by M (2008-04-14 07:48) 

simimasa

基本的には、術後10週~12週のあたりは靭帯と骨の結合がまだ不十分であるのと、移植腱の強度が弱い時期のため、あまりお勧めできません。
(某JPNチームトップ選手も、3ヶ月目でフリースキーをした際に、膝の痛みと腫脹がひどくなったそうです)

医師の立場からすると、避けていただきたいと言うのが正直なところですね
"(^_^;)"
by simimasa (2008-04-14 22:06) 

M

返信ありがとうございます。

梅雨明けの乗鞍、月山。8月のNZ,スイスサースフェーあたりはどうでしょうか?
もちろん、コントレはあたりまえですが、08/09シーズンの計画として早期の雪上復帰を考えています。

宜しくお願いいたしす。




by M (2008-04-16 07:40) 

simimasa

私も当事者ではないので断言はできませんが、6ヶ月以降であれば何とかなるとは思います。
もちろんその時に、健側の80%以上の筋力まで回復しているというのが最低条件ではありますが。
(3~4月にオペして、10月のメーカーや県連の遠征に行った選手も何人かいますので・・・・ただ、最初のうちはスキー後の疼痛や、膝の腫れとの戦いになるようですね。)

後は、経過も含めた主治医の判断になりますかね。。。
はっきりとお答えできず、申し訳ございません。

by simimasa (2008-04-16 22:46) 

M

右ひざ術後3ヶ月を順調に経過し、担当医師より、ジョギングとインラインの許可がでましたので、連休の後半より30分程度のジョギングと、インラインのスケーティングを、リハビリトレーニングに取り入れてみました。

ジョギング時のフォームがぎこちなく、左腰に痛みを感じます。
いかがなものでしょうか?
宜しくお願いします。
by M (2008-05-09 07:31) 

simimasa

膝ではなく、腰部ですよね。。。

おそらく大腿四頭筋、ハムストリングの筋力患健差があって、患肢着地時のバランスが悪くなっているのでしょうか!?
だとすれば、筋力の回復とともに良くなってくるとは思いますが。

トレーニングの内容としてはインラインはいい選択だと思います。
が、転倒等のアクシデントには気をつけてくださいね。
by simimasa (2008-05-09 18:14) 

zinn_m

ACLの説明がわかりやすかったです。
自分は、約20年前に左膝のACL・PCL・MCL断裂だったので人工靭帯の手術を受けました。約10年前に切れたので、太もも裏の腱を使って、ACLとMCLを再建しました。現在、反対の左膝のPCLが損傷しています。専用装具を使っての歩行、スポーツジムのマシンによる筋力UPによりかなり回復してきました。
質問は、自分の腱(採取して良い部分)は他にありますか?約10年前に聞いたのは、当時アメリカで肩の腱を使った再建手術がはやり始めていると聞きました。膝の靭帯を再建する場合、太もも裏の腱以外に取れる腱はありますか?
by zinn_m (2014-03-22 18:58) 

simimasa

コメントありがとうございます。初回手術は当時では大きな手術であったと思いますし、再断裂も乗り越えられているとのことで、メディカルスタッフ、患者さん共に相当なご苦労をされたことと推察します。今後の良好な経過を心よりお祈りいたします。

現在、一般に採取されている自家腱は、
①ハムストリングス(半腱様筋腱、薄筋腱)
②膝蓋腱
③大腿四頭筋腱
④腸脛靭帯
でしょうか。

肩の腱?については(私の不勉強もあり)パッと思いつくものはありませんが、国内外を通してメジャーな移植腱にはなっていないと思います。海外では屍体のアキレス腱や後脛骨筋などを移植権として使っているとは思うのですが…
by simimasa (2014-03-24 09:01) 

zinn_m

肩の腱を使った移植については、約10年前再建手術の説明の際に、大学病院の有名な先生に聞いた話です。あまり評判の良い手術法ではなかったと記憶しています。当時、アメリカで流行りだした手術法だったと思います。約20年前の人工靭帯の手術は、手術してくれた地元の先生も初めてしたぐらい最新の手術でした。メチャメチャ苦労しましたが。
海外で行われている屍体からの移植は、ウィルスが怖いです。採取できるのは、太ももや膝なんですね。太もも裏の腱を1本ずつ採取しているので、これ以上、足の腱は採取したくないです。今は週に数回ジムに通って足を鍛えています。普段から、両膝に金具付の装具を着けて杖を使いながら歩いています。体重の増加に注意して、足の筋力UPに努めます。
by zinn_m (2014-04-06 14:36) 

Noriko

はじめまして
スキーレース中に、無理にターンしすぎて、
前十字靭帯断裂してしまいました。スキー仲間から、豊島病院の山岸先生が良いと聞き、来週手術します。BTBかSTか悩みましたが、数年前にSTで左足をすでに手術してますが、最近緩んできてるのがわかりました。これを見るとSTの方が良かったのかおもいますが、最新情報としては、どちらが良いのでしょうか?
しかもしまは、ボルトが体内で溶けるらしいですね。昔はチタンがはいったままですが。
レースに復帰したいならBTBで手術したほうがいいでしょう!と山岸先生はおっしゃいました。
by Noriko (2016-02-29 17:04) 

simimasa

御返事遅くなりました。ST/BTBの比較については、まだ自分の中でもはっきりとした結論は出ていないというのが正直な所です。BTBにおける腱採取部の痛みや、STの緩み・再断裂率の高さを代表とする互いの問題点も、数年前に比べて格段の改善が見られます。
術式の検討においては、①再断裂率は圧倒的にBTBが低く、移植腱の生着も早い(≒より早期にゲートTRが開始できる、4〜6週は早い?でしょうか) ②術後筋力の回復はSTの方が良く、リハビリ時の痛みも少ない傾向にある。頑張れない人がBTBで再建すると、術後の回復が逆に遅延することも有る・・・
という2つのポイントから、ご自身にあった再建方法をご検討されると良いかな?と、思います。

by simimasa (2016-03-02 15:08) 

いしざき

詳細な記事で、息子の前十字靭帯再建手術に際し、大変参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
さて、術後一年ということで、ボルトとボタンの除去手術を主治医の先生(大阪市の高英卓先生です)から勧められています。除去については賛否両論みたいで、本人もいろんな話を聞いて来て、そのままにしようか?と考えがぐらついています。親的にはまだあと4年間はラグビーをするからこそ、今のうちにさっさと除去してしまったほうがいいと思うのですが、また復帰に時間をかけるのがイヤみたいです。
一応、アレルギー体質ということで、シリコンとチタンが入っています。ご意見聞かせて頂けると嬉しいのですが。
by いしざき (2017-06-21 11:53) 

simimasa

僕の場合患者さんの抜釘については、金属周囲の愁訴(痛み、しびれ、違和感…)が無ければ、特に行っておりません。
僕の使っているインプラントの場合は将来的に再断裂や周囲の骨折があったとしてもほとんど影響を与えないということが前提の理由としてありますので。

ただ、芋ネジの様なものが骨内に埋め込まれている様な場合には、1年を目処に抜釘した方が良いかと思いますよ。
by simimasa (2017-06-22 10:18) 

いしざき

お返事ありがとうございました。
レントゲンでは、頭のないボルトのようなネジが入っています。
結局、息子を説得して、抜く手術を受けることにしました。夏の合宿は残念ながら、欠席することになりますが、今後のこともあるので、サッサと済ませてしまうことにしました。ありがとうございました。
そんなに色々な手術方法があるとは知りませんでした。勉強になりました。
by いしざき (2017-06-27 21:42) 

kaoru

大変参考になるブログ、ありがとうございます。
1週間前にACL再断裂し、温存か手術かで迷っています。ご意見を伺えたら幸いです。
同じ膝を26年前に、ACLを人工靭帯で再建、内側半月板切除、内側側副靭帯は伸びを縮めて修復しています。今回膝の老化(骨の変形)も指摘されました。主治医は、今年44歳でジムに通う程度の活動量などを考慮し、温存を提案頂きましたが、手術選択も可能と言われています。温存で膝の老化が加速するなら手術を選択したいのですが判断しかねています。
by kaoru (2017-06-29 11:37) 

simimasa

ご質問ありがとうございます。
実は、私もいま勤務している病院が過去に人工靭帯によるACL再建術を施行していた時期があったことから、kaoruさんと同じような状況の患者さんを多く診察しております。
膝の変形が加速するか否かについては、骨の形態や活動度によって多少差があるのですが、不安定感についてはACL再々建を行う方が患者さんの満足度が高いと感じております。
by simimasa (2017-07-02 16:49) 

kaoru

直接診察頂いてない中、漠然とした質問にもかかわらず、コメントを頂き感謝致します。
前回の手術後はPTのサポートは無く、今の様には情報がない中で自己流で無茶もしました。再建後のリハビリのきつさを分かっているので手術に尻込みする反面、温存の場合、そのうちに残っている半月板も痛めたらと思うと気が気でなく、不安が募り焦っていました。
明日セカンドオピニオンを受けます。
手術か温存にしても、先ずはどんな動きをしてはいけないのか、トレーニングは何が必要かをよく確認して、落ち着いて冷静に今後のことを決めます。
by kaoru (2017-07-02 21:39) 

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