ACL再建における(個人的な)最近の傾向 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
ACL再建に手を出し始めて5年目になりますが、この5年でいろんな先生のエッセンスを取り入れたり、
勉強をして得た知識を吟味しながら、自分の考えに基づいた治療方針の決定や術式選択、
リハビリテーションの計画を立てられるようになってきました。
特に、去年の6月に移籍してからは、完全に自分のPhylosophyに基づいた治療をさせて頂いております。
とは言え自分の場合には、永遠の師匠である木村先生の哲学が根底なんですけどね!
師匠の下で教えて頂いていた3年間と、大学病院に戻っていた期間には、
第一選択としてハムストリング(ST)2ルートをチョイスし、
ニーズや症例に応じて膝蓋腱(BTB)のシングルを行うというスタンスを基本にしていました。
しかし、もともとハムストと比較してもBTBによるACL再建の成績は劣らず、復帰が早い事、
術式や採腱方法が洗練されてきた為に、術後の伸展制限や合併症が減少してきた事などを考慮し、
最近ではBTBを勧める患者さんが明らかに増えてきていますヾ(▽⌒*)
BTBを積極的に勧める条件としては・・・
①早期の復帰を求める患者や、退院後の生活負荷、就業負荷が高い患者
②アスリート(県大会上位~全国大会出場レベル以上)
③格闘技、スキー、コンタクトスポーツなどのスポーツをやっている人
でしょうか。
①、②、③は全て関連性があるんですけど、STは骨孔内で骨と腱が癒合すると言う事に対して、
BTBは骨孔内で骨と骨が癒合するという点で、より早く、より強く結合すると言う事が理由です。
まぁ、安心してリハビリが進められたり、ニーズによっては復帰を早める事ができるのでね。
・・・③については、無茶をしがちな患者さんが多いというのも、理由の一つかもね(笑)
だからと言って、術後早期の加速的なリハビリを行っているわけではありませんよ。
STは2週、BTBは1週前後の免荷をしっかり行い、可動域訓練についても慎重な方だと思います。
競技復帰についても基本的には10か月を目安とし、半月板損傷の有無、筋力の回復とニーズを考慮して、
復帰時期を決定しています。
あと、スポーツ種目によっても方針が違ってきますかね。
僕の場合、ジャンプ系の動きが多いスポーツでは膝蓋靱帯炎などの合併が怖い部分もありますので、
STの2ルートを第一選択としております。
受傷前からのジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)の影響で、BTBの腱自体が変性しているケースも散見しますので。
まぁ、そんな事を考えながら再建をやった結果、ここ1年間のST/BTBの比はおおよそ6対4です。
ウチの病院はスポーツ選手だけでなく、主婦や部活レベルの中学生女子も多いので、
やはりSTが多いという結果にはなりましたが、それにしてもBTBが増えました。
しばらくは、このような傾向が続くのではないかと思っております。
明日以降、最近のBTBによるACL再建についてもご紹介したいのですが、なにしろヒマがなくて。。。
とにかく、頑張ってみますね。
勉強をして得た知識を吟味しながら、自分の考えに基づいた治療方針の決定や術式選択、
リハビリテーションの計画を立てられるようになってきました。
特に、去年の6月に移籍してからは、完全に自分のPhylosophyに基づいた治療をさせて頂いております。
とは言え自分の場合には、永遠の師匠である木村先生の哲学が根底なんですけどね!
師匠の下で教えて頂いていた3年間と、大学病院に戻っていた期間には、
第一選択としてハムストリング(ST)2ルートをチョイスし、
ニーズや症例に応じて膝蓋腱(BTB)のシングルを行うというスタンスを基本にしていました。
しかし、もともとハムストと比較してもBTBによるACL再建の成績は劣らず、復帰が早い事、
術式や採腱方法が洗練されてきた為に、術後の伸展制限や合併症が減少してきた事などを考慮し、
最近ではBTBを勧める患者さんが明らかに増えてきていますヾ(▽⌒*)
BTBを積極的に勧める条件としては・・・
①早期の復帰を求める患者や、退院後の生活負荷、就業負荷が高い患者
②アスリート(県大会上位~全国大会出場レベル以上)
③格闘技、スキー、コンタクトスポーツなどのスポーツをやっている人
でしょうか。
①、②、③は全て関連性があるんですけど、STは骨孔内で骨と腱が癒合すると言う事に対して、
BTBは骨孔内で骨と骨が癒合するという点で、より早く、より強く結合すると言う事が理由です。
まぁ、安心してリハビリが進められたり、ニーズによっては復帰を早める事ができるのでね。
・・・③については、無茶をしがちな患者さんが多いというのも、理由の一つかもね(笑)
だからと言って、術後早期の加速的なリハビリを行っているわけではありませんよ。
STは2週、BTBは1週前後の免荷をしっかり行い、可動域訓練についても慎重な方だと思います。
競技復帰についても基本的には10か月を目安とし、半月板損傷の有無、筋力の回復とニーズを考慮して、
復帰時期を決定しています。
あと、スポーツ種目によっても方針が違ってきますかね。
僕の場合、ジャンプ系の動きが多いスポーツでは膝蓋靱帯炎などの合併が怖い部分もありますので、
STの2ルートを第一選択としております。
受傷前からのジャンパー膝(膝蓋靱帯炎)の影響で、BTBの腱自体が変性しているケースも散見しますので。
まぁ、そんな事を考えながら再建をやった結果、ここ1年間のST/BTBの比はおおよそ6対4です。
ウチの病院はスポーツ選手だけでなく、主婦や部活レベルの中学生女子も多いので、
やはりSTが多いという結果にはなりましたが、それにしてもBTBが増えました。
しばらくは、このような傾向が続くのではないかと思っております。
明日以降、最近のBTBによるACL再建についてもご紹介したいのですが、なにしろヒマがなくて。。。
とにかく、頑張ってみますね。
丸山選手は前十字靱帯断裂でしたか・・・ [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
昨日、なでしこの試合を見ていて、後半終了間際に起きたケガ。
左足でクロスを上げようとして後ろに倒れ込んだシーンの瞬間、
『あー、これはACLかもなぁ・・・』
と、日本全国のスポーツ・膝を専門とする整形外科医が感じたのではないかと思います。
テレビで見る限り、スパイラルの前方引き出し予防みたいなACLのテーピングをしてたしね。
まぁ、今から再建してリハビリすれば、ギリギリ本大会の頃には回復しているとは思いますが、
アピールの場を失ってしまったのは痛い!
でも、復帰に向かってやるしか道はないので、頑張ってほしいと思います。
今回は、ウォーミングアップ中にケガをして、その後メディカルスタッフからOKが出て試合に出たとの事ですが、
なんでメディカルは試合に出したんだ!?と、疑問に思う人もいるかもしれません。
それには、幾つかの要因が考えられます。
①受傷直後の関節内出血が無く、診断がつきにくかった
⇒そういうケースも時々あります。自分も関節血腫の無いACL損傷は何度か経験があります。
②膝関節不安定性がはっきりしなかった
⇒アスリートのように四頭筋が発達し、徒手検査時に筋肉の緊張が取れない場合、わかりにくい事が。
③アップ時に靱帯損傷をしていたのだが、滑膜下断裂だったため症状が出ていなかった
⇒なんとなく①とかぶるのですが。。。
④選手が本当の症状を伝えなかった
⇒選手のレベルが高くなればなるほど(試合直前ではなおの事)、こういうケースもありますよね。
⑤実際にあの瞬間に(初めて)ACLを損傷した。アップの出来事とは無関係
⇒可能性としては低いですが、全くあり得ない事ではないです。
女子代表という、いわば国のトップチームでもこんな出来事ってあるんだな~。
と、身につまされる思いでした。
自分もこのような出来事に遭遇する可能性もありますし、他人事では終われない一件でした。
左足でクロスを上げようとして後ろに倒れ込んだシーンの瞬間、
『あー、これはACLかもなぁ・・・』
と、日本全国のスポーツ・膝を専門とする整形外科医が感じたのではないかと思います。
テレビで見る限り、スパイラルの前方引き出し予防みたいなACLのテーピングをしてたしね。
まぁ、今から再建してリハビリすれば、ギリギリ本大会の頃には回復しているとは思いますが、
アピールの場を失ってしまったのは痛い!
でも、復帰に向かってやるしか道はないので、頑張ってほしいと思います。
今回は、ウォーミングアップ中にケガをして、その後メディカルスタッフからOKが出て試合に出たとの事ですが、
なんでメディカルは試合に出したんだ!?と、疑問に思う人もいるかもしれません。
それには、幾つかの要因が考えられます。
①受傷直後の関節内出血が無く、診断がつきにくかった
⇒そういうケースも時々あります。自分も関節血腫の無いACL損傷は何度か経験があります。
②膝関節不安定性がはっきりしなかった
⇒アスリートのように四頭筋が発達し、徒手検査時に筋肉の緊張が取れない場合、わかりにくい事が。
③アップ時に靱帯損傷をしていたのだが、滑膜下断裂だったため症状が出ていなかった
⇒なんとなく①とかぶるのですが。。。
④選手が本当の症状を伝えなかった
⇒選手のレベルが高くなればなるほど(試合直前ではなおの事)、こういうケースもありますよね。
⑤実際にあの瞬間に(初めて)ACLを損傷した。アップの出来事とは無関係
⇒可能性としては低いですが、全くあり得ない事ではないです。
女子代表という、いわば国のトップチームでもこんな出来事ってあるんだな~。
と、身につまされる思いでした。
自分もこのような出来事に遭遇する可能性もありますし、他人事では終われない一件でした。
スキー選手のACL断裂に関して思う事 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
近年のスキー選手のACL断裂に関して、個人的に常々思う事は、
①ACL断裂発生の低年齢化
②SLのターン後半、または滑走から止まろうとした動作の中での断裂の増加
③GSの高速化に伴う、強い外力(外反強制や過伸展)によるACL断裂の増加
の3つですね。
①については、海外でも同様の傾向があるという話を聞いたことがあります。
(学会だったか、世間話だったか・・・きちんとした文献などが示せず申し訳ない)
特に谷回りにおいては、高い技術を持っていない選手でも(スキーに働きかけなくても)、
簡単に外力を受ける事ができるという事に由来するのかな、と思います。
②に関しては、前回の記事にあるPhantom foot injuryの形態ですね。
SLのセットの変化、SLスキーが持つラディウスが生み出す作用でしょう。
あとは、ターンが遅れた際のリカバリー動作でも、ポジションが後ろだと切れてしまう可能性があります。
③についても、レースの高速化に伴い転倒時に受けるエネルギーが強まることから、
ある意味当然な部分もあるでしょう。
あとは意外な盲点として、転倒後に斜面を流されたりする際にスキーが雪面に引っ掛かって下肢を捻られ、
ACLを損傷するというケースも多いように思います。
これもまた、スキーのラディウスが小さいほど起きやすい現象じゃないかと。
誤解を恐れずに言うと、アルペン競技によるACL断裂予防と言うのは、非常に難しいという印象です。
なぜなら、いくらアライメントを整えたり、防御因子となるハムストリングをトレーニングしても、
ルーティンの滑走動作ではない、突如起きうる異常なシチュエーションにおける、
瞬間での関節への大きな直達外力や、スキーから伝わる外力を防ぐことは難しいと思いますので。
もちろん、動作におけるアライメントの改善やコーディネーション能力の強化が、
ケガの発生と全く関連がないとは思いません。
僕も、膝から下を使った角付けや、回しこみ動作の強い選手は、膝のケガが多いと感じています。
そして、どの競技でも言えるのですが、
「ケガをしない為の滑り」と、「速く滑る為の滑り」「成績を出すための滑り」
が同じかどうかと言われると、正直僕にはわからないというのが現状ですので、
選手や指導者・家族に対して、そのあたりのコメントをする時には非常に慎重になります。
まぁ、ACLだけではなく膝のケガを減少させるためには、特にジュニア期の選手においては、
ゲート滑走時のラインを高くすると言うのがポイントかなと個人的には思っています。
そして、谷回りを早く作って速いタイミングで次の方向に抜け出していくような動きを身につけ、
②のような動きが発生するリスクをできるだけ少なくすることは、なんかの足しにはなるんじゃないかな?
谷回りを作るにも、下腿の回旋動作や上体の先行動作のような捻りの動きはあるだろうけど、
タイミングが遅れたり、身体が遅れてしまった結果、ターン後半で雪面からの外力を受けてできてしまった、
受動的な捻りの動きに比べたら、きっとケガのリスクは少ないはずですので。
もちろん、この滑りが成績の出る滑りかどうかという問題は、また別次元の話です。
(もちろん単純に、『ラインを高くしろ』という事が言いたいんじゃぁないんですけど)
もう一つは、前後のポジションを早い時期にしっかりと意識させ、良い位置を身につけさせること。
スキーのラディウスが小さくなればなるほど、前後方向の重心移動の許容量も小さくなりますし、
特にポジションや荷重のポイントが後ろに行けば行くほど、ケガ発生のリスクは高まるはずですしね。
こちらは、スキーの成績にもプラスになってくれることだと信じております。
そして、シナプスの成長が著しいジュニア期における各種コーディネーショントレーニングや、
異なったスポーツを体験する事の重要性、そして、不整地や新雪、ジャンプなどのフリースキーの重要性は、
今さら改めて話すつもりもありません。
最後に、自分の手術したスキー選手からの傾向をご紹介。
対象はここ4年間でOpeした19膝(男子7例8膝;1名再断裂、女子9例11膝;2名両側断裂)です。
中学生~大学生で、全国大会出場~FIS出場権利持ち以上のレベルに限定しました。
(高速系の経験が含まれる対象にしたつもりです)
<受傷種目>
SL; 9膝
GS; 6膝(うち、1名片ハン)
SG; 3膝
エアー; 1膝
フリースキー中の転倒も、そのターンの弧に合わせて種目を決めています。
やはり、SLが多いですね。SGも試合数の割にはかなり高い確率と言えるのではないでしょうか。
約1名は・・・遊んでた!?(笑)
<再建後の経過>
同レベルを維持し活動; 13例15膝
再建後2年以内に引退; 3例4膝(全例女性)
まぁ、進学や区切りで引退した選手も含まれますが・・・こんな感じです。
<ACL断裂リスクの有無>
狭い窩間顆;4例6膝
強い脛骨後方傾斜;1例1膝
過伸展膝;3例5膝
リスクの定義についてはいろいろとございますが、マニアックになりすぎるのであまりここでは述べません。
動きの中でのアライメントまでは全てデータがあるわけではないので、このくらいでご勘弁を。
余談ですが、もしこの記事を読んで頂いたスキー関係の指導者・トレーナーの方で、
『疑問に答えてあげるよ!』
と言う方がいたら、ぜひお話をさせて頂く機会を頂ければありがたいです。
今、スキー関連で一番勉強したい疑問の一つです。
全国どこでもお伺いしますので、何卒よろしくお願いいたします(笑)
あと、今回の記事でスキーに関する理解の間違いなどがあった時にも、ご指摘くださいませヾ(_ _。)
こんなこと書いてる瞬間にも、ACLの治療は進歩しています。
さっき、これ読んでました。
⇒ http://ajs.sagepub.com/content/39/8/1615.abstract
。。。やっぱ、ハムストリングを用いた再建は、2ルートじゃなくちゃダメなんだろうな。
①ACL断裂発生の低年齢化
②SLのターン後半、または滑走から止まろうとした動作の中での断裂の増加
③GSの高速化に伴う、強い外力(外反強制や過伸展)によるACL断裂の増加
の3つですね。
①については、海外でも同様の傾向があるという話を聞いたことがあります。
(学会だったか、世間話だったか・・・きちんとした文献などが示せず申し訳ない)
特に谷回りにおいては、高い技術を持っていない選手でも(スキーに働きかけなくても)、
簡単に外力を受ける事ができるという事に由来するのかな、と思います。
②に関しては、前回の記事にあるPhantom foot injuryの形態ですね。
SLのセットの変化、SLスキーが持つラディウスが生み出す作用でしょう。
あとは、ターンが遅れた際のリカバリー動作でも、ポジションが後ろだと切れてしまう可能性があります。
③についても、レースの高速化に伴い転倒時に受けるエネルギーが強まることから、
ある意味当然な部分もあるでしょう。
あとは意外な盲点として、転倒後に斜面を流されたりする際にスキーが雪面に引っ掛かって下肢を捻られ、
ACLを損傷するというケースも多いように思います。
これもまた、スキーのラディウスが小さいほど起きやすい現象じゃないかと。
誤解を恐れずに言うと、アルペン競技によるACL断裂予防と言うのは、非常に難しいという印象です。
なぜなら、いくらアライメントを整えたり、防御因子となるハムストリングをトレーニングしても、
ルーティンの滑走動作ではない、突如起きうる異常なシチュエーションにおける、
瞬間での関節への大きな直達外力や、スキーから伝わる外力を防ぐことは難しいと思いますので。
もちろん、動作におけるアライメントの改善やコーディネーション能力の強化が、
ケガの発生と全く関連がないとは思いません。
僕も、膝から下を使った角付けや、回しこみ動作の強い選手は、膝のケガが多いと感じています。
そして、どの競技でも言えるのですが、
「ケガをしない為の滑り」と、「速く滑る為の滑り」「成績を出すための滑り」
が同じかどうかと言われると、正直僕にはわからないというのが現状ですので、
選手や指導者・家族に対して、そのあたりのコメントをする時には非常に慎重になります。
まぁ、ACLだけではなく膝のケガを減少させるためには、特にジュニア期の選手においては、
ゲート滑走時のラインを高くすると言うのがポイントかなと個人的には思っています。
そして、谷回りを早く作って速いタイミングで次の方向に抜け出していくような動きを身につけ、
②のような動きが発生するリスクをできるだけ少なくすることは、なんかの足しにはなるんじゃないかな?
谷回りを作るにも、下腿の回旋動作や上体の先行動作のような捻りの動きはあるだろうけど、
タイミングが遅れたり、身体が遅れてしまった結果、ターン後半で雪面からの外力を受けてできてしまった、
受動的な捻りの動きに比べたら、きっとケガのリスクは少ないはずですので。
もちろん、この滑りが成績の出る滑りかどうかという問題は、また別次元の話です。
(もちろん単純に、『ラインを高くしろ』という事が言いたいんじゃぁないんですけど)
もう一つは、前後のポジションを早い時期にしっかりと意識させ、良い位置を身につけさせること。
スキーのラディウスが小さくなればなるほど、前後方向の重心移動の許容量も小さくなりますし、
特にポジションや荷重のポイントが後ろに行けば行くほど、ケガ発生のリスクは高まるはずですしね。
こちらは、スキーの成績にもプラスになってくれることだと信じております。
そして、シナプスの成長が著しいジュニア期における各種コーディネーショントレーニングや、
異なったスポーツを体験する事の重要性、そして、不整地や新雪、ジャンプなどのフリースキーの重要性は、
今さら改めて話すつもりもありません。
最後に、自分の手術したスキー選手からの傾向をご紹介。
対象はここ4年間でOpeした19膝(男子7例8膝;1名再断裂、女子9例11膝;2名両側断裂)です。
中学生~大学生で、全国大会出場~FIS出場権利持ち以上のレベルに限定しました。
(高速系の経験が含まれる対象にしたつもりです)
<受傷種目>
SL; 9膝
GS; 6膝(うち、1名片ハン)
SG; 3膝
エアー; 1膝
フリースキー中の転倒も、そのターンの弧に合わせて種目を決めています。
やはり、SLが多いですね。SGも試合数の割にはかなり高い確率と言えるのではないでしょうか。
約1名は・・・遊んでた!?(笑)
<再建後の経過>
同レベルを維持し活動; 13例15膝
再建後2年以内に引退; 3例4膝(全例女性)
まぁ、進学や区切りで引退した選手も含まれますが・・・こんな感じです。
<ACL断裂リスクの有無>
狭い窩間顆;4例6膝
強い脛骨後方傾斜;1例1膝
過伸展膝;3例5膝
リスクの定義についてはいろいろとございますが、マニアックになりすぎるのであまりここでは述べません。
動きの中でのアライメントまでは全てデータがあるわけではないので、このくらいでご勘弁を。
余談ですが、もしこの記事を読んで頂いたスキー関係の指導者・トレーナーの方で、
『疑問に答えてあげるよ!』
と言う方がいたら、ぜひお話をさせて頂く機会を頂ければありがたいです。
今、スキー関連で一番勉強したい疑問の一つです。
全国どこでもお伺いしますので、何卒よろしくお願いいたします(笑)
あと、今回の記事でスキーに関する理解の間違いなどがあった時にも、ご指摘くださいませヾ(_ _。)
こんなこと書いてる瞬間にも、ACLの治療は進歩しています。
さっき、これ読んでました。
⇒ http://ajs.sagepub.com/content/39/8/1615.abstract
。。。やっぱ、ハムストリングを用いた再建は、2ルートじゃなくちゃダメなんだろうな。
世界トップレベルのスキー選手における、ACL損傷の実際② [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
さて、前回の記事(http://corticalscrew.blog.so-net.ne.jp/2011-08-17)の続きです。
今日は、論文のDiscussion内容の紹介や、論文に対する感想を述べてみます
過去、一般スキーヤーのACL損傷発生率を記した論文では、
男性4.2件/100000 Skiers day、女性4.4件/100000 Skiers dayと言う報告があり、
単位は全く異なる事を加味しても、明らかにアルペンレーサーのACL断裂率は高いという事がわかります。
これは、競技性質や受傷機転、皆さんの経験などからも、異論はない所かと。
あとは、ACL損傷受傷機転の解説や、選手にとっては早期の治療(ACL再建)が必須である事、
大腿骨や脛骨の骨格形態(大腿骨窩間部の広さ、脛骨関節面の後方傾斜)が発生に関与する事、
コンピューターモデルにてビンディングの精度向上がケガ防止につながるという報告がある事、
などが考察にて述べられておりました。
そして、適切な診断と治療を行えば、世界トップクラスのスキー選手であっても、
膝関節の完全な機能を再獲得して、トップシーンへの復帰が可能であるだろう!
というのが、考察の締めの一文でした。
ちなみに、彼らの論文で紹介している、というか、一般的なスキーにおけるACL損傷の受傷機転は、次の5つ。
①Boot-induced anterior drawer
⇒スキーブーツによる下腿の前方引き出し、いわゆる「ゼンジュー」ポジション
②Valgus-external rotation
⇒膝の外反強制(X脚様の肢位強制)による受傷
③(下腿の)Internal rotation and extension
⇒膝過伸展および下腿の内旋強制による受傷
④Forceful quadriceps muscle contraction
⇒大腿四頭筋の強い単独収縮が一瞬で起き、膝が進展して受傷。
(これはHamstの防御収縮が起きなかったケースだと理解してるんだけど。。。間違ってたらご指摘ください)
⑤Phantom-foot injury
⇒ターンの後半で上体が遅れてスキーだけが前方に走り、「発射」してしまうような動き
です。
詳しい事はまたいつかお話できると良いのですが。。。ちょっと論文の本質から外れるのでこのへんで。
もうちょっと詳しく知りたい方には、
http://www.ski-injury.com/
あたりをご覧になると、もう少し詳細に掲載されてますよ。
個人的に気になったことを何点か挙げてみます。
まずは全体的に、結果と考察がもう少しリンクすると面白かったという印象が。。。
もともとの骨形態による発症リスクや、受傷機転関連の話と言うのは既に一般的な理解なんで、
いまさらそれを書かれても何の面白味もないし、結果で関連するデータが示されているわけでもないので、
正直な所、あまり興味をそそるDiscussionではありませんでした。
また、80~90年代の技術&マテリアルと、2000年代のそれでは全てが大きく違います。
そういったものに関連する記述や考察がなかったというのは、ちょっと残念。
女性の発症率が変わらないのに、男性の発症率が増加している事や、
再断裂率&対側損傷率を年代ごと、ってゆうか、カービングスキー出現前後で比較したような、
時間軸での評価が見てみたかったですね。
(おそらく・・・受傷機転や技術系/高速系を比較した断裂発生率のデータでは、差が出そうな気がします)
あとは、本文中にしかなかった結果の記載だったのですが、
ACL断裂の時点で選手生命にピリオドを打った人数は、Top30群では発症例数総数の10%だったそうです。
ACL断裂患者のキャリア年数もさることながら、再建後の経過というのも非常に気になりますね。
術後何年間、Top30のレベル、またはナショナルチームのレベルを維持できたのか?
またはどのくらいの人数が、どのくらいの時期でドロップアウトしたのか?
逆に、ACL再建後の患者が、どのくらいの割合で術後Top30まで上がってこれたのか?
と言うデータが見てみたいです。
フランススキー連盟と言う、アルペン界では非常に大きなグループを巻き込んだ、
しかも非常に長期に渡る、貴重なデータですので、もう少しいろんなエッセンスを覗いてみたいなぁ。
このデータ収集の体制や、そのベースにある医科学サポートの体制、本当に素晴らしいです。
なんか、まとまりのない記事になってしまいました。
明日は、これを読んでの個人的感想及び、個人的経験からのコメントを紹介できればな、と思っています。
今日は、論文のDiscussion内容の紹介や、論文に対する感想を述べてみます
過去、一般スキーヤーのACL損傷発生率を記した論文では、
男性4.2件/100000 Skiers day、女性4.4件/100000 Skiers dayと言う報告があり、
単位は全く異なる事を加味しても、明らかにアルペンレーサーのACL断裂率は高いという事がわかります。
これは、競技性質や受傷機転、皆さんの経験などからも、異論はない所かと。
あとは、ACL損傷受傷機転の解説や、選手にとっては早期の治療(ACL再建)が必須である事、
大腿骨や脛骨の骨格形態(大腿骨窩間部の広さ、脛骨関節面の後方傾斜)が発生に関与する事、
コンピューターモデルにてビンディングの精度向上がケガ防止につながるという報告がある事、
などが考察にて述べられておりました。
そして、適切な診断と治療を行えば、世界トップクラスのスキー選手であっても、
膝関節の完全な機能を再獲得して、トップシーンへの復帰が可能であるだろう!
というのが、考察の締めの一文でした。
ちなみに、彼らの論文で紹介している、というか、一般的なスキーにおけるACL損傷の受傷機転は、次の5つ。
①Boot-induced anterior drawer
⇒スキーブーツによる下腿の前方引き出し、いわゆる「ゼンジュー」ポジション
②Valgus-external rotation
⇒膝の外反強制(X脚様の肢位強制)による受傷
③(下腿の)Internal rotation and extension
⇒膝過伸展および下腿の内旋強制による受傷
④Forceful quadriceps muscle contraction
⇒大腿四頭筋の強い単独収縮が一瞬で起き、膝が進展して受傷。
(これはHamstの防御収縮が起きなかったケースだと理解してるんだけど。。。間違ってたらご指摘ください)
⑤Phantom-foot injury
⇒ターンの後半で上体が遅れてスキーだけが前方に走り、「発射」してしまうような動き
です。
詳しい事はまたいつかお話できると良いのですが。。。ちょっと論文の本質から外れるのでこのへんで。
もうちょっと詳しく知りたい方には、
http://www.ski-injury.com/
あたりをご覧になると、もう少し詳細に掲載されてますよ。
個人的に気になったことを何点か挙げてみます。
まずは全体的に、結果と考察がもう少しリンクすると面白かったという印象が。。。
もともとの骨形態による発症リスクや、受傷機転関連の話と言うのは既に一般的な理解なんで、
いまさらそれを書かれても何の面白味もないし、結果で関連するデータが示されているわけでもないので、
正直な所、あまり興味をそそるDiscussionではありませんでした。
また、80~90年代の技術&マテリアルと、2000年代のそれでは全てが大きく違います。
そういったものに関連する記述や考察がなかったというのは、ちょっと残念。
女性の発症率が変わらないのに、男性の発症率が増加している事や、
再断裂率&対側損傷率を年代ごと、ってゆうか、カービングスキー出現前後で比較したような、
時間軸での評価が見てみたかったですね。
(おそらく・・・受傷機転や技術系/高速系を比較した断裂発生率のデータでは、差が出そうな気がします)
あとは、本文中にしかなかった結果の記載だったのですが、
ACL断裂の時点で選手生命にピリオドを打った人数は、Top30群では発症例数総数の10%だったそうです。
ACL断裂患者のキャリア年数もさることながら、再建後の経過というのも非常に気になりますね。
術後何年間、Top30のレベル、またはナショナルチームのレベルを維持できたのか?
またはどのくらいの人数が、どのくらいの時期でドロップアウトしたのか?
逆に、ACL再建後の患者が、どのくらいの割合で術後Top30まで上がってこれたのか?
と言うデータが見てみたいです。
フランススキー連盟と言う、アルペン界では非常に大きなグループを巻き込んだ、
しかも非常に長期に渡る、貴重なデータですので、もう少しいろんなエッセンスを覗いてみたいなぁ。
このデータ収集の体制や、そのベースにある医科学サポートの体制、本当に素晴らしいです。
なんか、まとまりのない記事になってしまいました。
明日は、これを読んでの個人的感想及び、個人的経験からのコメントを紹介できればな、と思っています。
世界トップレベルのスキー選手における、ACL損傷の実際① [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
去年、旭川の進藤先生の所にお邪魔した際に、1本の論文を頂きました。
いずれこのブログでも書こうとは思っていたのですが、すっかり掲載するのを忘れておりまして(^-^;)
そんな訳で今日からは、スキー選手におけるACL損傷の状況を調査した論文をご紹介していきます。
内容も長くなっちゃいそうなんで、2回に分けてみます。
論文はコチラ。
American Journal of Sports Medicineという、世界最高峰のレベルに属するスポーツ整形外科雑誌に、
2007年7月に掲載されたものです。
“The Incidence of Anterior Cruciate Ligament Injuries Among Competitive Alpine Skiers”
⇒ http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17468379
症例の対象は、1980年から2005年の間に、フランスナショナルチーム(ウェイティング、ジュニアを含む)に、
1シーズン以上在籍した選手379人(男子191人、女子188人)です。
少なくともFISレース~ヨーロッパカップ以上のレベルの選手たちと考えてください。
結果について、ぶつ切りの話になってしまいますが、簡単に紹介します。
この379人が活動した年(シーズン)数は合計で1836シーズンでしたが、
その間に157件のACL断裂がありました。
発生率としては、8.6件/100 skier season(ss)です。
このSkier seasonという単位はちょっと理解が難しいかもしれませんが、
100人が1年間、20人が5年間活動すれば、8~9人(または8~9件の発症)がACL断裂を経験する、
という事であると理解してもらえれば幸いです。
また、再建したACLの再断裂は20件、両膝のACL断裂は32件、3回以上のACL断裂は9件だったそうです。
(それぞれ、1.1件/100ss、1.7件/100ss、0.5件/100ssです)
ACL再建患者だけに限ると、同側のACL再断裂率は19%、対側のACL断裂率は30%にもなります。
男女間で初回ACL断裂の発生率に差はなく、受傷前の競技経験期間にも差はありませんでした。
選手のキャリア(ナショナルチーム在籍年数)を比べると、ACL非断裂群では平均4.5年であったのに対して、
ACL断裂群では平均7.5年と、ACL断裂を経験した選手の方がむしろキャリアが長い、という結果でした。
また、ACL断裂の発生時期は圧倒的に冬季が多く、春先や秋には少ないという結果でした。
ここからはさらにマニアックな内容となります。
これらの調査対象患者をFISランキング30位以内(Top30)とそれ以外に分類し、データを整理したものです。
【ACL断裂率 他】
Top30 Others
・ACL断裂率 男子50% 女子50% 男子24% 女子23%
・ACL再断裂率 男子39% 女子33% 男子13% 女子11%
・ACL対側損傷率 男子39% 女子39% 男子23% 女子37%
【Career Length】
Top30 Others
・ACL断裂あり 男子14.3年 女子10.8年 男子5.9年 女子5.9年
・ACL断裂なし 男子10.6年 女子11.4年 男子4.2年 女子3.2年
Top30で戦う選手たちは、50%の確率でACL断裂を経験しているという事です。
まぁ、ジャパンの選手も同じような確率で、ACL切ってますしね。。。納得ですわ。
特筆すべきは、男子のTop30の場合、ACL切ってる選手の方が平均キャリアが長いという点!
これにはさすがに驚きました。
最後に技術系チームとスピード系チームでのACL断裂発生率についての記述があり、
この2群間においては有意差がないという結果でした。
ただ、調査期間が1980年からの25年という事を考えると、カービングスキー登場以前のデータが多いため、
このような結果になったのであろうと推測されます。
25年の経過において、1年あたりのACL断裂発生症例数は、
1980年代に比べ2000年代では男子が2倍に増加した一方、女子はあまり変化がないようです。
こんなとこでしょうか。
この結果を見て、皆さんはどうお考えになりますか!?
きっといろんな考えが出てくるのではないかと思いますが。
いずれこのブログでも書こうとは思っていたのですが、すっかり掲載するのを忘れておりまして(^-^;)
そんな訳で今日からは、スキー選手におけるACL損傷の状況を調査した論文をご紹介していきます。
内容も長くなっちゃいそうなんで、2回に分けてみます。
論文はコチラ。
American Journal of Sports Medicineという、世界最高峰のレベルに属するスポーツ整形外科雑誌に、
2007年7月に掲載されたものです。
“The Incidence of Anterior Cruciate Ligament Injuries Among Competitive Alpine Skiers”
⇒ http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17468379
症例の対象は、1980年から2005年の間に、フランスナショナルチーム(ウェイティング、ジュニアを含む)に、
1シーズン以上在籍した選手379人(男子191人、女子188人)です。
少なくともFISレース~ヨーロッパカップ以上のレベルの選手たちと考えてください。
結果について、ぶつ切りの話になってしまいますが、簡単に紹介します。
この379人が活動した年(シーズン)数は合計で1836シーズンでしたが、
その間に157件のACL断裂がありました。
発生率としては、8.6件/100 skier season(ss)です。
このSkier seasonという単位はちょっと理解が難しいかもしれませんが、
100人が1年間、20人が5年間活動すれば、8~9人(または8~9件の発症)がACL断裂を経験する、
という事であると理解してもらえれば幸いです。
また、再建したACLの再断裂は20件、両膝のACL断裂は32件、3回以上のACL断裂は9件だったそうです。
(それぞれ、1.1件/100ss、1.7件/100ss、0.5件/100ssです)
ACL再建患者だけに限ると、同側のACL再断裂率は19%、対側のACL断裂率は30%にもなります。
男女間で初回ACL断裂の発生率に差はなく、受傷前の競技経験期間にも差はありませんでした。
選手のキャリア(ナショナルチーム在籍年数)を比べると、ACL非断裂群では平均4.5年であったのに対して、
ACL断裂群では平均7.5年と、ACL断裂を経験した選手の方がむしろキャリアが長い、という結果でした。
また、ACL断裂の発生時期は圧倒的に冬季が多く、春先や秋には少ないという結果でした。
ここからはさらにマニアックな内容となります。
これらの調査対象患者をFISランキング30位以内(Top30)とそれ以外に分類し、データを整理したものです。
【ACL断裂率 他】
Top30 Others
・ACL断裂率 男子50% 女子50% 男子24% 女子23%
・ACL再断裂率 男子39% 女子33% 男子13% 女子11%
・ACL対側損傷率 男子39% 女子39% 男子23% 女子37%
【Career Length】
Top30 Others
・ACL断裂あり 男子14.3年 女子10.8年 男子5.9年 女子5.9年
・ACL断裂なし 男子10.6年 女子11.4年 男子4.2年 女子3.2年
Top30で戦う選手たちは、50%の確率でACL断裂を経験しているという事です。
まぁ、ジャパンの選手も同じような確率で、ACL切ってますしね。。。納得ですわ。
特筆すべきは、男子のTop30の場合、ACL切ってる選手の方が平均キャリアが長いという点!
これにはさすがに驚きました。
最後に技術系チームとスピード系チームでのACL断裂発生率についての記述があり、
この2群間においては有意差がないという結果でした。
ただ、調査期間が1980年からの25年という事を考えると、カービングスキー登場以前のデータが多いため、
このような結果になったのであろうと推測されます。
25年の経過において、1年あたりのACL断裂発生症例数は、
1980年代に比べ2000年代では男子が2倍に増加した一方、女子はあまり変化がないようです。
こんなとこでしょうか。
この結果を見て、皆さんはどうお考えになりますか!?
きっといろんな考えが出てくるのではないかと思いますが。
アメリカ人のACL再建術は? [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
しばらくBlog放置してました・・・
TwitterやFBがあると、ついついそっちだけで満足してしまいますね。
簡単にここ2日間の行動報告。
金曜は史野先生のBTB rectangularとST 3ルートのOpe見学。
手術手技自体は自分たちがやっているものと大きく変わりはなかったのですが、
一つ一つの手技の中での確認事項やピットフォールなどについては、非常に勉強になりました。
そのまま大阪から館林に移動して、『かかし』の串揚げ゚ヽ(o`・∀・´)ノ.+゚
ヘタな大阪の店より、よっぽどうまいです。
金曜飲んでからの、土曜は2コマほど外来バイト。
フリーターらしく、その場しのぎの活動費を稼いできました。
そしてついに、今週末からJリーグ再開。。。って事で、明日はAway大分の帯同!
去年も行ったけど、大分のスタジアムは空港からのアクセスが大変!!(T∩T)
空港バスを使い大分駅まで行き、そこから定額タクシー。
何気に当日入りをしようとすると、朝はめっちゃ早いです。
結局、自宅にはわずか12時間の滞在になる予定・・・
そんな今日は、最近ご無沙汰なACLの事を書いてみましょう。
2月にAAOSへ出席した際に、とあるセッションで会場の意識調査をしていました。
そのセッションはACL再建のレクチャーでも、割とレベルの高い医師向けのレクチャーで、
300人くらいが聞いていたでしょうか。
今日はその内容を走り書きですがメモに取っておいたので、
文字として起こしてみようと思います。
(ちなみに、水色の選択枝は僕の選んだ選択枝です)
多少内容に間違いがある可能性も否定できませんが。。。お許しを。
① 1年間のACL再建手術件数は?
10例以下 ; 12%
10~50例 ; 58%
50~100例 ; 21%
100例以上 ; 9%
この結果からは、今回の母集団はある程度ACL再建をやっている集団という事がわかります
②普段はどんな方法で再建してる?(グラフトは問わず)
鏡視下シングル(1ルート) ; 83%
鏡視下ダブル(2ルート) ; 12%
直視下(Open)再建 ; 2%
その他 ; 3%
③術者として解剖学的2ルート再建を経験したことは?
Yes ; 26%
No ; 74%
思いのほか、2ルートをやっている先生は少ないようですね。
④解剖学的2ルートをどう考えますか?
(やってないが)イイと思う、または常にやっている ;41%
時々症例を選んでやる ;26%
イイと思うけど、自分にはできない ;28%
あれはダメだと思う ;5%
でも、認めている先生や、やってみたいと思っている先生も多いようですよヾ(▽⌒*)
⑤グラフトのファーストチョイスは?
自家膝蓋腱 ; 21%
自家ハムストリング腱 ; 63%
屍体移植腱 ; 13%
その他 ; 3%
意外とAutoのハムストが多いのには驚きました。
アメリカの有名な先生たちにはBTBを使う先生が多いせいか、BTBが主流だと勝手に思ってました。
その他のセッションや発表を聞いていても、BTBはかなり少数派でしたね。
ちなみにワタクシは両方選んでますが・・・男性はBTB、女性はSTが第一選択です。
⑤大腿骨側骨孔の作成方法は?
Transtibial ; 37%
Low AM Portal ; 55%
Out-in ; 7%
最近のアメリカのトレンドは、Low AM portalのようです。Fermedial portalではありません。
ポータルはAMの真下、高さは膝蓋腱の真ん中くらいでした。
外国人は窩間が広いから、それほど振らなくても大丈夫なんでしょう。
⑥ACL再建手術の適応を決定する際に、重要視している所見は?
不安定感・膝崩れ(Giving way) ; 63%
MRI所見 ; 2%
KTの所見 ; 12%
臨床スコア ; 23%
⑧患者の術後評価で、最も重要だと思う要素は?
患者本人の膝安定感に対する自覚 ; 62%
Pivot shift test(回旋不安定性) ; 31%
KTの所見(脛骨前方移動量) ; 5%
その他 ; 2%
個人的には膝回旋不安定性の有無を重要視しているので、Audienceの意見とは多少乖離がありました。
ちょっとマニアックな文章になってしまいましたが、アメリカ人の傾向を知ることはできるかと。
TwitterやFBがあると、ついついそっちだけで満足してしまいますね。
簡単にここ2日間の行動報告。
金曜は史野先生のBTB rectangularとST 3ルートのOpe見学。
手術手技自体は自分たちがやっているものと大きく変わりはなかったのですが、
一つ一つの手技の中での確認事項やピットフォールなどについては、非常に勉強になりました。
そのまま大阪から館林に移動して、『かかし』の串揚げ゚ヽ(o`・∀・´)ノ.+゚
ヘタな大阪の店より、よっぽどうまいです。
金曜飲んでからの、土曜は2コマほど外来バイト。
フリーターらしく、その場しのぎの活動費を稼いできました。
そしてついに、今週末からJリーグ再開。。。って事で、明日はAway大分の帯同!
去年も行ったけど、大分のスタジアムは空港からのアクセスが大変!!(T∩T)
空港バスを使い大分駅まで行き、そこから定額タクシー。
何気に当日入りをしようとすると、朝はめっちゃ早いです。
結局、自宅にはわずか12時間の滞在になる予定・・・
そんな今日は、最近ご無沙汰なACLの事を書いてみましょう。
2月にAAOSへ出席した際に、とあるセッションで会場の意識調査をしていました。
そのセッションはACL再建のレクチャーでも、割とレベルの高い医師向けのレクチャーで、
300人くらいが聞いていたでしょうか。
今日はその内容を走り書きですがメモに取っておいたので、
文字として起こしてみようと思います。
(ちなみに、水色の選択枝は僕の選んだ選択枝です)
多少内容に間違いがある可能性も否定できませんが。。。お許しを。
① 1年間のACL再建手術件数は?
10例以下 ; 12%
10~50例 ; 58%
50~100例 ; 21%
100例以上 ; 9%
この結果からは、今回の母集団はある程度ACL再建をやっている集団という事がわかります
②普段はどんな方法で再建してる?(グラフトは問わず)
鏡視下シングル(1ルート) ; 83%
鏡視下ダブル(2ルート) ; 12%
直視下(Open)再建 ; 2%
その他 ; 3%
③術者として解剖学的2ルート再建を経験したことは?
Yes ; 26%
No ; 74%
思いのほか、2ルートをやっている先生は少ないようですね。
④解剖学的2ルートをどう考えますか?
(やってないが)イイと思う、または常にやっている ;41%
時々症例を選んでやる ;26%
イイと思うけど、自分にはできない ;28%
あれはダメだと思う ;5%
でも、認めている先生や、やってみたいと思っている先生も多いようですよヾ(▽⌒*)
⑤グラフトのファーストチョイスは?
自家膝蓋腱 ; 21%
自家ハムストリング腱 ; 63%
屍体移植腱 ; 13%
その他 ; 3%
意外とAutoのハムストが多いのには驚きました。
アメリカの有名な先生たちにはBTBを使う先生が多いせいか、BTBが主流だと勝手に思ってました。
その他のセッションや発表を聞いていても、BTBはかなり少数派でしたね。
ちなみにワタクシは両方選んでますが・・・男性はBTB、女性はSTが第一選択です。
⑤大腿骨側骨孔の作成方法は?
Transtibial ; 37%
Low AM Portal ; 55%
Out-in ; 7%
最近のアメリカのトレンドは、Low AM portalのようです。Fermedial portalではありません。
ポータルはAMの真下、高さは膝蓋腱の真ん中くらいでした。
外国人は窩間が広いから、それほど振らなくても大丈夫なんでしょう。
⑥ACL再建手術の適応を決定する際に、重要視している所見は?
不安定感・膝崩れ(Giving way) ; 63%
MRI所見 ; 2%
KTの所見 ; 12%
臨床スコア ; 23%
⑧患者の術後評価で、最も重要だと思う要素は?
患者本人の膝安定感に対する自覚 ; 62%
Pivot shift test(回旋不安定性) ; 31%
KTの所見(脛骨前方移動量) ; 5%
その他 ; 2%
個人的には膝回旋不安定性の有無を重要視しているので、Audienceの意見とは多少乖離がありました。
ちょっとマニアックな文章になってしまいましたが、アメリカ人の傾向を知ることはできるかと。
ロベルト・バッジョとACL断裂にまつわるお話 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
今日はイタリアの至宝、R Baggio(バッジョ?バッジオ??)さんのお話。
僕もアメリカワールドカップ以来、大好きだった選手です。
イタリアワールドカップの時は、ゼンガやスキラッチの印象が強すぎて、全く覚えていないのですけど。。。
まさにFWとしても、トップ下としても、いろんな形から得点が取れる選手でした。
GKと一対一の状況でも、ボールを足の裏で転がしながら「タメ」を作って、
落ち着いてゴールに流し込むプレーが、僕の中では印象的な得点シーンとして残っています。
とにかく、シュートを撃つってよりは、スペースにボールを送り込むというイメージが強いんだよね。
まぁ、世界のサッカー好きで知らない人はいないであろう選手ですが、
世界の膝関節外科医でも知らない人はいない!?と思います。
なにしろ、ACL再建後11週で試合に出たのですから・・・
先日、なんかの雑誌のドキュメンタリー?コラム??で出ていたのを読んで、思い出しました。
⇒ Return to official Italian First Division soccer games within 90 days after anterior cruciate ligament reconstruction: a case report.
英文で症例報告になってるし(笑)
さすがBaggioです。
ってか、医者も症例報告にしたい気持ちもわからないでもないけどさ。
あきらかに患者が同定されちゃう症例報告って・・・どうなん?(´,_ゝ`)プッ
2002年のワールドカップイタリア代表を目指していたBaggioは、1月下旬の試合でACLを断裂してしまいます。
アズーリをあきらめられなかった彼は、受傷後4日目には再建を行い、すぐにリハビリを始めました。
(ちなみに、この時に執刀した医師はロナウドや、ミルコ・クロコップなどもオペしているそうです)
プールでのトレーニングを中心に、4週間程度は徹底的に筋力トレーニングやコーディネーションを行い、
その後4週間でステップ動作から実践的な動きを身につけたとのこと。
術後11週ですでに20分間限定で出場し、術後13週ではフル出場しています。
しかも、当時世界最強リーグと言われていたセリエAのDFと対峙してですから、すごい事ですΣ(・ω・ノ)ノ
しかも、後半途中からの復帰戦で2ゴール!
本当に持ってますね。
まぁ、強靭な肉体と、強い意志、はっきりとした目標があったからこそできた、奇跡に限りなく近い復活劇です。
良い子のACL損傷患者さんは、絶対に真似しないでください(笑)
僕もアメリカワールドカップ以来、大好きだった選手です。
イタリアワールドカップの時は、ゼンガやスキラッチの印象が強すぎて、全く覚えていないのですけど。。。
まさにFWとしても、トップ下としても、いろんな形から得点が取れる選手でした。
GKと一対一の状況でも、ボールを足の裏で転がしながら「タメ」を作って、
落ち着いてゴールに流し込むプレーが、僕の中では印象的な得点シーンとして残っています。
とにかく、シュートを撃つってよりは、スペースにボールを送り込むというイメージが強いんだよね。
まぁ、世界のサッカー好きで知らない人はいないであろう選手ですが、
世界の膝関節外科医でも知らない人はいない!?と思います。
なにしろ、ACL再建後11週で試合に出たのですから・・・
先日、なんかの雑誌のドキュメンタリー?コラム??で出ていたのを読んで、思い出しました。
⇒ Return to official Italian First Division soccer games within 90 days after anterior cruciate ligament reconstruction: a case report.
英文で症例報告になってるし(笑)
さすがBaggioです。
ってか、医者も症例報告にしたい気持ちもわからないでもないけどさ。
あきらかに患者が同定されちゃう症例報告って・・・どうなん?(´,_ゝ`)プッ
2002年のワールドカップイタリア代表を目指していたBaggioは、1月下旬の試合でACLを断裂してしまいます。
アズーリをあきらめられなかった彼は、受傷後4日目には再建を行い、すぐにリハビリを始めました。
(ちなみに、この時に執刀した医師はロナウドや、ミルコ・クロコップなどもオペしているそうです)
プールでのトレーニングを中心に、4週間程度は徹底的に筋力トレーニングやコーディネーションを行い、
その後4週間でステップ動作から実践的な動きを身につけたとのこと。
術後11週ですでに20分間限定で出場し、術後13週ではフル出場しています。
しかも、当時世界最強リーグと言われていたセリエAのDFと対峙してですから、すごい事ですΣ(・ω・ノ)ノ
しかも、後半途中からの復帰戦で2ゴール!
本当に持ってますね。
まぁ、強靭な肉体と、強い意志、はっきりとした目標があったからこそできた、奇跡に限りなく近い復活劇です。
良い子のACL損傷患者さんは、絶対に真似しないでください(笑)
ACL部分再建 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
しばらく間が空きましたけど・・・今日は久々にACLのお話です。
先日のJOSKASでは、ACL部分再建や遺残組織を残した再建が広まってきたな、という印象を受けました。
僕自身は3年ほど前に、広島大学の越智先生が群馬で講演をされたのをきっかけに勉強を始めて、
手術マネージメントにおいて一つの選択枝となった手術です。
ここ3年でボク自身の件数もだいぶ増え、この4か月でも半分近くの症例がこの手技を使った再建をしています。
この術式のメリットとしては、部分的に残っている靭帯および滑膜組織を残して再建する事で。。。
①再建靭帯に対する血流の改善がより良好であると期待される
②遺残ACL表面のメカノレセプターが温存され、術後膝関節位置覚の改善が、より良好になる可能性がある
という事が期待されており、実際にそのような結果を示した論文もすでに出ています。
⇒越智先生 ACL部分再建2年成績
この術式を選択するうえで、どうしても心配になる事が、
「遺残靭帯組織がどれだけ機能しているのか?」
という事なんですが、僕の場合にはそれなりに太い(直径7~8mm以上)移植靭帯を挿入する事で、
仮に遺残靭帯が機能が不十分だったとしても、十分に対応できると考えています。
ここまでを読むと、2本の靭帯繊維がきちんと再建されていないのではないかと疑問に感じる人も多いかと思います。
しかし、近年の”解剖学的な“ハムストリング&BTB1ルート再建は非常にいい成績を示しており、
2ルート再建との成績比較でも、決して劣らない結果を出しています。
ですので、個人的には必ずしもすべての症例で2ルートの再建をするべきとは考えていません。
この考えのバックグラウンドには成績比較だとかバイオメカニカルなTopicsが絡んでくるので、
そのうち紹介できればと思います。
話がだいぶそれました。
最後に、写真を紹介してみようと思います。
この症例は、スポーツ時の膝崩れを主訴に来院された患者さん。
術前のTelosX-pでは左右差が4mmでしたが、再建直前の麻酔下における徒手検査では、
回旋不安定性が強い割には、ラックマンテストでエンドポイントがしっかりある患者さんでした。
手洗いをしながら、
『これは(部分再建)あるよ~!』
と、話していましたが、関節鏡視所見では・・・

かろうじて整形外科膝関節課 課長の威厳が保たれました(笑)
一見、靭帯は連続性がありますが、AM束(緑線)と比べ、PL束(赤線)では大腿骨側で損傷があります。
わかりにくい方は、次の画像を。

PL側の大腿骨部(右側です)は繊維が断裂していますね。
残った繊維を傷つけないように、脛骨側、大腿骨側共に関節外から解剖学的位置に骨孔を作成します。

最後に、移植靭帯を挿入して終了となります。
この症例では残っていたAM束を温存し、PL束のみを直径8mmの半腱様筋腱を用いて再建しました。

術後リハビリテーションは、通常の再建と同様になります。
最近、画像を勝手にパクる人間がいることが判明しました。
きちんとメールをくれて使用許可に関して断りを入れてくださる方もいらっしゃるにも関らず。。。⊂ ‘Д´)つ =3
そんな訳で、今回から必要性があるような写真に限っては、著作権を入れさせて頂きます。
少々見にくいのですが、ご容赦くださいm(_ _)m
先日のJOSKASでは、ACL部分再建や遺残組織を残した再建が広まってきたな、という印象を受けました。
僕自身は3年ほど前に、広島大学の越智先生が群馬で講演をされたのをきっかけに勉強を始めて、
手術マネージメントにおいて一つの選択枝となった手術です。
ここ3年でボク自身の件数もだいぶ増え、この4か月でも半分近くの症例がこの手技を使った再建をしています。
この術式のメリットとしては、部分的に残っている靭帯および滑膜組織を残して再建する事で。。。
①再建靭帯に対する血流の改善がより良好であると期待される
②遺残ACL表面のメカノレセプターが温存され、術後膝関節位置覚の改善が、より良好になる可能性がある
という事が期待されており、実際にそのような結果を示した論文もすでに出ています。
⇒越智先生 ACL部分再建2年成績
この術式を選択するうえで、どうしても心配になる事が、
「遺残靭帯組織がどれだけ機能しているのか?」
という事なんですが、僕の場合にはそれなりに太い(直径7~8mm以上)移植靭帯を挿入する事で、
仮に遺残靭帯が機能が不十分だったとしても、十分に対応できると考えています。
ここまでを読むと、2本の靭帯繊維がきちんと再建されていないのではないかと疑問に感じる人も多いかと思います。
しかし、近年の”解剖学的な“ハムストリング&BTB1ルート再建は非常にいい成績を示しており、
2ルート再建との成績比較でも、決して劣らない結果を出しています。
ですので、個人的には必ずしもすべての症例で2ルートの再建をするべきとは考えていません。
この考えのバックグラウンドには成績比較だとかバイオメカニカルなTopicsが絡んでくるので、
そのうち紹介できればと思います。
話がだいぶそれました。
最後に、写真を紹介してみようと思います。
この症例は、スポーツ時の膝崩れを主訴に来院された患者さん。
術前のTelosX-pでは左右差が4mmでしたが、再建直前の麻酔下における徒手検査では、
回旋不安定性が強い割には、ラックマンテストでエンドポイントがしっかりある患者さんでした。
手洗いをしながら、
『これは(部分再建)あるよ~!』
と、話していましたが、関節鏡視所見では・・・

かろうじて整形外科膝関節課 課長の威厳が保たれました(笑)
一見、靭帯は連続性がありますが、AM束(緑線)と比べ、PL束(赤線)では大腿骨側で損傷があります。
わかりにくい方は、次の画像を。

PL側の大腿骨部(右側です)は繊維が断裂していますね。
残った繊維を傷つけないように、脛骨側、大腿骨側共に関節外から解剖学的位置に骨孔を作成します。

最後に、移植靭帯を挿入して終了となります。
この症例では残っていたAM束を温存し、PL束のみを直径8mmの半腱様筋腱を用いて再建しました。

術後リハビリテーションは、通常の再建と同様になります。
最近、画像を勝手にパクる人間がいることが判明しました。
きちんとメールをくれて使用許可に関して断りを入れてくださる方もいらっしゃるにも関らず。。。⊂ ‘Д´)つ =3
そんな訳で、今回から必要性があるような写真に限っては、著作権を入れさせて頂きます。
少々見にくいのですが、ご容赦くださいm(_ _)m
ACL損傷放置例でのスポーツ活動 [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
さて、今年のスキーシーズンも前半戦の山場、全中&IHが終了しました。
IHの女子SLは延期云々で大変だったみたいですね"(^_^;)"
今日は久々にACLの話。
今年もシーズン序盤にも関らず、残念ながら何人かの選手がACL断裂の怪我を負ってしまいました。
しかしそのうち一人はACLが断裂したままレースに復帰し、それなりのリザルトを残しています。
(1月20日に受傷し、2週間後の全中に出場しました)
本当は早期に再建をするべきであり、それまではスポーツ活動を禁じるのがベストなのですが、
最後の全中と言うこともあり、本人およびご両親のキッチリとした理解と同意の下に、少々無茶をしました。
きょうは、その症例に関して注意した点などを簡単に書いてみようと思います。
医者として許可した患者さんのバックグラウンドとしては、
①ACL単独損傷であり、半月板や軟骨、その他の靱帯損傷を合併していなかったこと
②ACL損傷後3日目で可動域制限がなくなり、筋力的にも健側の80%以上が出せていたこと
③Single Leg Hop TestやSide stepなどの負荷において、痛みがないこと
でした。
もちろん、以下の内容を患者さんと家族に説明し、理解してもらいました。
・パフォーマンスは落ちる(満足度として70~80%くらい)
・スポーツ時には必ずACL硬性装具を着用する
・運動した結果、半月板や軟骨に合併損傷をきたす可能性がある
・痛みや膝の腫れが強い日は、絶対にスポーツ活動を休止する
・全中が終わったら、すぐに再建手術を受ける
結果、幸いにも大きなトラブルはなく、成績もそれなりのリザルトを残してくれました。
近々に再建の予定になっています。
自分の印象では、インターハイ、インカレ一部レベルに参加するだけでいいのなら、
ACLは切れたままでもなんとか“ある程度”のパフォーマンスは出せるように思います。
ただ、それらの大会で入賞を争うレベル以上であったり、インターナショナルレベルになると、
それらの試合の中で“戦う”のは難しい気がします。
そういったことも考慮に入れて、ACLの再建時期を決定している今日この頃です。
もちろん先延ばしといっても限度があり、必ず半年以内には再建という話はしていますが。
文献上は3ヶ月以上放置すると合併損傷のリスクが高まるという報告もありますし。
今回が『たまたま』うまくいっただけかも知れませんしね。
ただ、自分の子供なら・・・
よほどの事情がない限りは、できれば無理させないで再建するかなぁ・・・
でも、子供がどうしてもやりたいと言ったら、やらせちゃうかなぁ・・・
非常に悩むところです。
6:4で無理させない方を選ぶというところでしょうか(笑)
IHの女子SLは延期云々で大変だったみたいですね"(^_^;)"
今日は久々にACLの話。
今年もシーズン序盤にも関らず、残念ながら何人かの選手がACL断裂の怪我を負ってしまいました。
しかしそのうち一人はACLが断裂したままレースに復帰し、それなりのリザルトを残しています。
(1月20日に受傷し、2週間後の全中に出場しました)
本当は早期に再建をするべきであり、それまではスポーツ活動を禁じるのがベストなのですが、
最後の全中と言うこともあり、本人およびご両親のキッチリとした理解と同意の下に、少々無茶をしました。
きょうは、その症例に関して注意した点などを簡単に書いてみようと思います。
医者として許可した患者さんのバックグラウンドとしては、
①ACL単独損傷であり、半月板や軟骨、その他の靱帯損傷を合併していなかったこと
②ACL損傷後3日目で可動域制限がなくなり、筋力的にも健側の80%以上が出せていたこと
③Single Leg Hop TestやSide stepなどの負荷において、痛みがないこと
でした。
もちろん、以下の内容を患者さんと家族に説明し、理解してもらいました。
・パフォーマンスは落ちる(満足度として70~80%くらい)
・スポーツ時には必ずACL硬性装具を着用する
・運動した結果、半月板や軟骨に合併損傷をきたす可能性がある
・痛みや膝の腫れが強い日は、絶対にスポーツ活動を休止する
・全中が終わったら、すぐに再建手術を受ける
結果、幸いにも大きなトラブルはなく、成績もそれなりのリザルトを残してくれました。
近々に再建の予定になっています。
自分の印象では、インターハイ、インカレ一部レベルに参加するだけでいいのなら、
ACLは切れたままでもなんとか“ある程度”のパフォーマンスは出せるように思います。
ただ、それらの大会で入賞を争うレベル以上であったり、インターナショナルレベルになると、
それらの試合の中で“戦う”のは難しい気がします。
そういったことも考慮に入れて、ACLの再建時期を決定している今日この頃です。
もちろん先延ばしといっても限度があり、必ず半年以内には再建という話はしていますが。
文献上は3ヶ月以上放置すると合併損傷のリスクが高まるという報告もありますし。
今回が『たまたま』うまくいっただけかも知れませんしね。
ただ、自分の子供なら・・・
よほどの事情がない限りは、できれば無理させないで再建するかなぁ・・・
でも、子供がどうしてもやりたいと言ったら、やらせちゃうかなぁ・・・
非常に悩むところです。
6:4で無理させない方を選ぶというところでしょうか(笑)
岩村選手のACL損傷?について思うこと [膝前十字靭帯(ACL)損傷]
先日、メジャーリーグのレイズで活躍中の岩村選手が、2塁ベース上でのクロスプレーでACLを損傷し、
今季絶望というニュースを耳にした方は多いと思います。
ところが本日のニュースでは、関節鏡を入れてみたところ部分断裂(部分損傷!?)であり、
2ヶ月ほどで戦列に復帰できる見込みだという話です!
嬉しい話ですが、これにはビックリしました。
⇒サイトはこちら
本文によると・・・
On Monday, Dr. Eaton repaired the torn medial meniscus in Iwamura's knee and also determined that the second baseman had suffered only a partial tear of his anterior cruciate ligament.
⇒月曜にDr. Eatonが岩村選手の内側半月板の縫合を行うとともに、この2塁手(岩村選手)のACLは
部分的な断裂のみの受傷であると診断した。
Because Iwamura had just a partial tear, Eaton was able to use arthroscopic surgery rather than reconstruction surgery, which was the original diagnosis.
⇒岩村選手のACLが部分断裂であったために、Dr. EatonはACL再建手術よりも、
関節鏡視下(修復!?)術の施行が可能であった。
と、あります。
僕の正直な印象としては、
「本当にそんな事が起きうるんだろうか?」
と、思いましたね・・・( ̄□ ̄;)
と言うのも、ACL損傷の診断方法としては
①徒手検査による脛骨の前方動揺性および、膝関節の回旋不安定性の存在
②MRI所見によるACL損傷の確認
③関節鏡視によるACLの触診
などがあげられるのですが、今回手術の前にACL断裂と診断がリリースされていたのであれば、
①、②は確実に存在したはずです。
だとすれば、今回のように鏡視してみたらACLがしっかりしてたなんていうのは、
担当医の「診断のエラー」だったのではないかと竅った見方をしてしまいます。
でも、(年に1~2回ですが)①、②がはっきりしなくて関節鏡をやる症例もあるので、
きっと今回はそのようなケースだったんでしょうね。
ちなみに私のACL再建症例が年間で50例前後なんで、5%以下のレアな確率ですが。
そして、これは無いとは思いますが・・・①があったのに③で大丈夫だと診断したのなら、少し心配です。
Subsynovial tear(滑膜下断裂)の場合、繊維がうまく癒合せずにのちのちACL不全を起こすケースがあったり、
部分断裂でもその断裂部分に限ったACL部分再建を行う方が良いケースもあるので。。。
ま、メジャーリーガーのオペをするようなしっかりとしたDr.ですので、
僕が心配するような次元の問題なんてのは絶対考えているでしょうけどね(^-^;笑)
中途半端に物事を知っていると、余計な心配をしてしまうんだなぁ、と気づかされた今日の出来事でした。
そして、岩村選手の靭帯鏡視所見と、このドクターがやった術式が気になってしょうがない。。。
もっと勉強しなくちゃですね。
今季絶望というニュースを耳にした方は多いと思います。
ところが本日のニュースでは、関節鏡を入れてみたところ部分断裂(部分損傷!?)であり、
2ヶ月ほどで戦列に復帰できる見込みだという話です!
嬉しい話ですが、これにはビックリしました。
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本文によると・・・
On Monday, Dr. Eaton repaired the torn medial meniscus in Iwamura's knee and also determined that the second baseman had suffered only a partial tear of his anterior cruciate ligament.
⇒月曜にDr. Eatonが岩村選手の内側半月板の縫合を行うとともに、この2塁手(岩村選手)のACLは
部分的な断裂のみの受傷であると診断した。
Because Iwamura had just a partial tear, Eaton was able to use arthroscopic surgery rather than reconstruction surgery, which was the original diagnosis.
⇒岩村選手のACLが部分断裂であったために、Dr. EatonはACL再建手術よりも、
関節鏡視下(修復!?)術の施行が可能であった。
と、あります。
僕の正直な印象としては、
「本当にそんな事が起きうるんだろうか?」
と、思いましたね・・・( ̄□ ̄;)
と言うのも、ACL損傷の診断方法としては
①徒手検査による脛骨の前方動揺性および、膝関節の回旋不安定性の存在
②MRI所見によるACL損傷の確認
③関節鏡視によるACLの触診
などがあげられるのですが、今回手術の前にACL断裂と診断がリリースされていたのであれば、
①、②は確実に存在したはずです。
だとすれば、今回のように鏡視してみたらACLがしっかりしてたなんていうのは、
担当医の「診断のエラー」だったのではないかと竅った見方をしてしまいます。
でも、(年に1~2回ですが)①、②がはっきりしなくて関節鏡をやる症例もあるので、
きっと今回はそのようなケースだったんでしょうね。
ちなみに私のACL再建症例が年間で50例前後なんで、5%以下のレアな確率ですが。
そして、これは無いとは思いますが・・・①があったのに③で大丈夫だと診断したのなら、少し心配です。
Subsynovial tear(滑膜下断裂)の場合、繊維がうまく癒合せずにのちのちACL不全を起こすケースがあったり、
部分断裂でもその断裂部分に限ったACL部分再建を行う方が良いケースもあるので。。。
ま、メジャーリーガーのオペをするようなしっかりとしたDr.ですので、
僕が心配するような次元の問題なんてのは絶対考えているでしょうけどね(^-^;笑)
中途半端に物事を知っていると、余計な心配をしてしまうんだなぁ、と気づかされた今日の出来事でした。
そして、岩村選手の靭帯鏡視所見と、このドクターがやった術式が気になってしょうがない。。。
もっと勉強しなくちゃですね。







